12番地

面白いと思ったモノ、コトを実体験を中心に書いています

12番地的映画批評 | 人生やり直したいと思ったことはありますか?

「あの時ああすればもっと今より幸せだったのか?」

 

そんなふうに思ったことはありませんか?

私はあります。それはもう今まで何度も思いました。

 

でも私は「あの時ああすればもっと今より幸せだったのか?」とは思いますが、実際にその時に戻って人生をやり直したいと思ったことはありません。

 

それは家族の存在が大きいです。

 

今まで嫌なこと、つらいこと、人として恥ずかしいこと、色々と経験してきましたが、その経験の結果今の私があり、今の私だからこそ今の妻と結婚できたし愛する子供が生まれたわけです。

 

それは過去に戻れるなら嫌なことつらいことは回避したいし、人として恥ずかしいことをしてしまった過去をやり直したい。それこそ「あの時ああすれば上手く行ったのに」と思うことは多々あります。

 

しかし、過去に戻って修正した結果今の家族と会えないと思うと、それはしたくないと思ってしまうわけです。

 

この映画の主人公は違います。人生が自分の望まない結果になるたびに過去に戻りその事実を修正する。それがうまくいくこともあれば失敗することもあり、一見うまくいったと思っても結果失敗だったということもありました。

 

12番地的映画批評 | バタフライエフェクト 2004年アメリカ

映画の題名である「バタフライエフェクト」というのは日本語でいうところの「風が吹けば桶屋が儲かる」にあたります。

 

つまりひとつの些細なことが巡り巡って大きな影響を及ぼすという意味です。

 

映画の冒頭から30分くらいはこのバタフライエフェクトとは無関係に進みます。主人公のエヴァン少年が猟奇的な絵を描いたり、ナイフを持って立っていたりしてどちらかというとホラー要素が多いです。

 

中盤以降だんだんとこのバタフライエフェクト要素が強くなります。大学生になったエヴァンが自分の過去の記憶を辿るためにその時の友達と会い、その結果過去に戻る能力を認識するのです。

 

まずこの友達に過去の記憶を訪ねる場面が衝撃的。エヴァン自身は記憶がない、だから悪気無くそれぞれの該当者に過去について尋ねるのですが、その過去の実際の内容があまりにもハードすぎてエヴァン本当に自己中で空気読めてないなと感じてしまいます。この尋問をきっかけに自殺者が出ますからね。まあこうやって自覚無く人を傷つける人って現実にもいますけれど、エヴァンはとにかくひどい。この自殺が過去に戻る能力を知るきっかけになるので映画的には必要なのでしょうが。

 

映画の中で、過去に戻るためには自分の書いた日記を見直すことが必要です。日記を読むことでその日付の過去に戻ることができるというこをエヴァンは前述の自殺者の件で発見しました。

 

そしてその過去に戻る能力を得てからというものの、嫌なことがあるとすぐに過去に戻ろうとします。とはいえその嫌なことというのが恋人の自殺だったり、刑務所でカマ掘られそうになったり、両腕がなくなったりと、私のような一般人からすれば「これだけのことがあったら過去に戻ってやり直したくなるのはしょうがない」と思ってしまうのですが、でも世の中には実際に恋人が自殺した人、刑務所でカマ掘られた人、両腕がなくなった人というのはいるわけで、そういう人が見たら結構不快に思うんじゃないかと感じました。甘えんじゃねーぞって。

 

なんども過去に戻っては失敗し、最終的にハッピーエンドのような形で終わるのですが、私は最後に日記を焼くべきではないと思いました。

 

仕事が嫌だと思う人はどこの職場に行っても結果仕事が嫌になるという例があるように、人生なにかあったら嫌になって過去に戻りたくなる人は将来も絶対過去に戻りたくなります。その退路を切ってしまったのは、それなりの覚悟があるのでしょうが、今後のエヴァンの人生が心配です。

 

人生の岐路について 

この映画を見て感じたことは、日々選択の人生を歩んでいるけれど、本当に人生の岐路となる選択は一生の中で3〜4に絞られるんだなということと、その全てが幼少期に集約されているということです。

 

この映画内でも些細な選択はなんども出てきます。過去に戻っての選択もあるのですが、重点となる3〜4シーン以外の選択は現実にほとんど影響を与えないまま過ごしています。

 

そしてその重点となる3〜4シーンの全てが小学校以前の幼少期の出来事です。三つ子の魂百までではありませんが、幼少期の経験ってかなり重要なんだなと思いました。決定的な岐路となる選択はそれこそ小学校低学年ぐらいの時の一言ですからね。

 

私からすると幼少期よりも大人になってからの選択のほうがああしたかった、こうしたかったと思ってしまうのですが、幼少期の選択が間違えていなければ今頃そんなふうに思っていなかったのかもしれませんね。

 

まとめ

冒頭はちょっと怖いしバタフライエフェクトというキーワードに興味をもって観た方は退屈かもしれませんが、それが伏線となり徐々に面白くなってきます。

 

でも私としてはもう少し深堀りして欲しかった。特にラストシーンは。

 

一見ハッピーエンドに見えますが、それはエヴァン周辺のごく一部の世界だけで、今までの未来で不幸になっていたエヴァンの母親などその他の人生は出てきませんし、もっと言うと過去を修正することで発生したそれぞれの未来にいた人間はどうしているのか?パラレルワールドで生きているのか?ということも疑問です。それこそ刑務所でカマ掘られそうになったシーンなど、その人生が続けば無期懲役間違いなしですから。それぞれの未来が並行して続いているとしたらその未来のエヴァンは全く救われていないし、エヴァンに協力したキリスト教信者がかわいそうになります。

 

でもこうやって書いていて、こんなふうに粗探しをしているから私は純粋に映画を楽しめないのかなと思いました。つぎからは純粋に映画を楽しむよう努力しようと思います。